2022-07-08

昼前に起きてシャワーを浴びる。あー、髪を乾かしたあと前髪を切ろうと思っていたが、忘れていた。今書きながら思い出した。

昼ごはんの時間、父がキッチンにやって来るなり「アベが撃たれたらしい」と言う。意味がわからなくてテレビを点けると速報ニュースが流れていて、ショックを受けた。テレビとツイッターを交互に見ていたが、やがて動悸が激しくなって何もかも不安になってきたので、父に断ってテレビを消す。ツイッターも見ないようにする。

食後しばらく布団の中で、嵐が過ぎ去るのを待つ子どもみたいに震えていた。しかし、布団を被って寝ていても気は楽にならないので、無理やり体を起こして布団を片付け、窓を開け、掃除機をかける。動き回っていると少し動悸がマシになった。パソコンを開いて、トム・ウェイツを聴きながら作業する。父が仕事部屋から出てくるなり、ツイッターを開いて銃撃事件の続報を教えようとするので、「今は聞きたくない」と伝えた。

夕方、母がパートから帰宅して開口一番に「アベが……」と言うので、今は聞きたくないことを伝えて、その場から離れた。何も手につかない。布団に入ってじっとしていたらいつの間にか寝ていた。

コミックDAYSで西瓜士の読み切り漫画『ふたりの告白』を読んで泣く。「生産性」の輪から離れた人間の寄る辺なさ。そして千春の世界が他者へと開かれていく、つまり真実の愛を知る物語でもある。自己完結的な世界から他者が存在する世界へと踏み出すときには相応の痛みを伴うはずで、千春が別れ話で久良木を否定するシーンは『カイバ』のラスト、ネイロの愛を拒絶して「死ね!」とカイバが叫ぶシーンと重なった。