2023-1-5

 風邪っぽいので近くの病院へ。歩いて行ける距離だが「車で来てください」と病院から指示があったので、親の車を借りて向かった。病院では患者どうしの接触を避けるために次のような手順が定められていた。あらかじめ車の色やナンバーを伝え、敷地内の指定された場所に車を停める。駐車場のそばにコロナやインフルエンザの検査場が設けられており、そこで鼻に細い綿棒のようなものをつっこまれる例の検査をする(信じられないくらい奥までつっこまれる)。結果がわかるまで30分車の中で待機する。2、3分だけ館内に入ることを許され、医者の診察を受ける。ふたたび車に戻り、待機。最後に防護服を着た看護師がやってきて、運転席のドア越しに精算のやりとりをしてくれる。

 なるほど合理的だが、徒歩で来る(車で来られない)患者のことを全然考慮していなくて強気だなと少しおどろいた。郊外だからたいがいの家庭は車を持っているという前提で考えたのか。じっさい私が観察した範囲では徒歩で来たと思われる患者はいなかった。

 綿棒を入れられた鼻の奥が痛かった。

 

 車で待っている間、ヒマなので今ハマっている『ENVii GABRIELLA』(エンヴィ ガブリエラ)の『あなたが私を綺麗にする訳じゃないの』を車のオーディオで流す。走行中は低音域が聞こえづらいけど止まっている間はベースがちゃんと聞こえていいな、としばらく浸っていた。

youtu.be

 帰る頃になって車のキーを回すと、「キュキュキュキュキュ………(シーン)」とエンジンが掛からない。

 あれ?と思い、焦って何度もエンジンスタートを試したものの同じことのくり返し。親に電話すると「車で音楽かけてた?」と聞かれる。

 世間知らずの私は「バッテリーが上がる」という言葉の意味を今日初めて知ることになった。親との電話で、車のエンジンをかけずに音楽を流したり電気を使っていると電圧が下がってエンジンが始動できなくなるということを教えてもらい、とりあえず父が車の様子を見に行くからあなたは歩いて帰ってくるようにと言われる。親に謝罪し、肩を落として家に帰る。歩きながらバッテリー女の2chコピペを思い出して不愉快になった。

 帰宅してしばらくすると車をガレージに停める音がする。父が帰ってきた。待っているうちに電圧が回復してエンジンが掛かったらしい。改めて親に謝罪する。知らなかったから勉強になったと言うと「お母さんの頃は常識だった」と返される。